バイト先にすぐ溶け込む、3つのテクニック

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いままで100種類以上のアルバイトを体験してきたと豪語する男「二刀流」が、バイトに関するノウハウを伝授するこのコラム。記念すべき第一回目は、バイト先にすぐに溶け込むテクニックをご紹介しましょう。

新しいバイトを始める際、必ずつきまとうのが、初出勤。

すでに関係性のできあがっている中に飛び込むのは、何度経験しても不安なものです。特に私のような、人見知りで引っ込み思案でネガティブで無気力症候群のような人間だと、初出勤の前は緊張のあまり、じっくりと煮こまれた兵庫産の黒豆以外の食べ物を受け付けなくなってしまうほどです。

まあ、そんなわけで、できるだけ早くみんなに溶け込みたい、そう願ってやまない諸兄のために、私が長年のバイト生活の末に編み出した、溶けこみテクニックを紹介しましょう。

1. 数々のバイトを立て直してきた歴戦の勇者を演出する

バイト初日、ようするに新人です。新人というのは弱々しい存在です。仕事のやり方もまったくわからないんだろと、先輩方からはまるで生まれたての子鹿のような目で見られます。

ならば、弱々しいというイメージを覆してしまえば、はじめから対等な立場で溶けこむことができるはずです。

まず第一声は、「今度の戦場はここか…」と、誰に対してでもなく、呟くように言いましょう。

バイト先のことを「戦場」と呼ぶ時点で、歴戦のプロという印象を植え付けることができるでしょう。しかし、これだけではちょっと不安です。中には、こいつ見栄を張っているだけなんじゃないかと、勘ぐってくる人もいるかもしれません。

そんな疑り深い先輩に対しては、歴戦の男を裏付ける演出が必要です。そのために、バイト中の所々で、過去の戦場での出来事がフラッシュバックしている感じを出していきましょう。

突然、頭を手で抑えて、「くっ、この感じ…。あの時と同じだ…。」と苦悶の表情を浮かべながら言うといいでしょう。

また、急に「ぬおおおおおおおおおおおおお」と左腕を抑えながら、まるで古傷がうずいているような雰囲気を醸し出すのもいいかもしれません。

その姿はもはや、バイト初日という弱々しいイメージではなく、仕事に飢えた狼に映ることでしょう。

2. 何もわからないキャラで先輩方のハートをキャッチする

さきほどの、猛々しい勇者を演出するのとは、まるで真逆の作戦も有効です。

人間という生き物は、自分よりも無力な存在には、妙な愛らしさを感じるものです。それは、赤ん坊や子犬が愛されていることからも証明されています。

ならば、徹底的に無力な存在をアピールすることで、いきなりみんなから愛されるポジションを手に入れてしまうのです。

まずは、バイト初日どころか、アルバイト自体が初めてだという設定を作りましょう。しかし、それだけだと、まだまだ無力さが足りません。中途半端な無力さは、使えないだとか面倒くさいというマイナスの印象を持たれてしまうだけです。

この作戦は、徹底的にやらなければ逆効果です。とにかく、一挙手一投足、すべてが初めてだというアピールをしましょう。

たとえば、飲食店のバイトであれば、「ディナーを盛りつけた器、このように自らの手で持ったのは、余は初めてだぞ」と言いましょう。

先輩方は、「ディナー」「余」という単語から、「きっとこの方は世間知らずの高貴な生まれの人間なんだろうな」と思うはずです。若干、倒置法っぽい文法で言うのもポイントです。

犬だって、血統書付きの高貴な犬種が最もちやほやされます。何もかも初めてで、しかも由緒正しい血筋感が出ているとなれば、きっと誰もがちやほやしてくれるでしょう。

多少の失敗をしても、すべて許してくれるはずです。それどころか、普通に注文が入ったビールを持っていっただけで、物凄く褒められるはずです。

3. そもそも初出勤ではない感じを出す

初出勤だと思われるから、初出勤の人的な扱いを受けるのです。それならば、そもそも初出勤じゃないよ感を醸し出せば、まるで昔からいるバイトのように、自然と受け入れられるはず。

まず最初の挨拶。間違っても「初めまして、今日からよろしくお願いします!」なんて元気よく言ってはいけません。

「おはーす。うわー、久しぶりだわー、久しぶりのバイトだわー。ずっとニューヨークに一人旅してたから、むしろ久しぶりの日本語だわー。思わずウェルカムッとか言っちゃいそうで怖いわー」

と、あくまで久しぶりのバイト感を思いっきり出しましょう。信憑性を高めるために、アメリカ帰りだということを主張すると、なお良しです。きっと他のバイトは、「俺、会ったことないけど、昔からいるすごい人が帰ってきた」と思うはずです。

そうなったら、しめたもの。あなたの立場は、新米バイトから古株バイトへ一気にジャンプアップすることができるでしょう。

(文=コラムニスト・二刀流)