上手でさりげない先輩風の吹かせ方

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アルバイトをするからには、やはり先輩風を吹かせたいものです。しかし、ただ先輩風を吹かせるだけだと、嫌な先輩で終わってしまいます。ここでは、いかに「さりげなく」先輩風を吹かせることができるかを考えてみました。

この方法をマスターすれば、さりげない先輩風によって、後輩たちの羨望の眼差しを独り占めすることができ、さらにそれが異性の後輩であれば、恋愛関係にまで発展する可能性も秘めている、まさに宇宙の神秘なのです。

初級編「前のバイト先でもあったわ」

バイトしていると、思わぬトラブルにより後輩が助けを求めてくるシーンに遭遇します。普段であれば、後輩からのヘルプなんて面倒くさいし、自分で解決しろよ、俺を巻き込むなと思うところでありますが、実はこんなシーンこそ先輩風をさりげなく吹かせるチャンスなのです。

困っている後輩が目に入ったら、ここぞとばかりに困っている理由を聞き出し、間髪入れずに「それ前のバイト先でもあったわ」とすでに自分が経験者であり、さらにはその困難を乗り越えた勝者であることをアピールするのです。

後輩から見たあなたは、きっとヒュドラの首を狩ったヘラクレスのごとく見えているはず。これからはこの人に付いていこう、この人の言うことはすべて絶対だ、そんな風に思ってくれる後輩の誕生です。

中級編「後輩をかばうことで先輩風を吹かせる」

さりげない先輩風、それは人を守る心。誰かを傷つける戦いではなく、誰かを守る戦いこそが真の先輩だと思うのです。

なので、後輩を積極的にかばいましょう。

まず手始めに、お客さんからのクレームを受けている後輩をかばいましょう。クレーム真っ最中の後輩を見つけたら、「こいつは悪くないんです、すべて私の責任です」とすぐに割って入ります。

お客さんの怒りの矛先が自分に向いたら、後輩に対して「行け!ここは俺に任せて先に行くんだ。へっ、こいつを片付けたらすぐに追いつくさ、心配するな」と死亡フラグを立てれば万全です。

なかなかクレームが発生しない場合は、何かから後輩を守りましょう。いきなり「危ない!」といって後輩を突き飛ばし、苦しむ演技をするのもいいでしょう。きっと後輩は、「何かわからないけど、見えない何か大きな邪気から私を守ってくれたのだなあ」と心の涙を流すはずです。

上級編「先輩に対して先輩風を吹かせる」

先輩風の上級者にもなれば、先輩に対して先輩風を吹かせることも難しくはありません。先輩よりも自分が優っている部分を見つけて、そこを徹底的に突いていきましょう。

簡単なところでは年齢ですね。「おい、おまえ年下だろ」といえば、先輩もそうそう手出しはできなくなるはずです。年齢でなくても、身長や体重を攻めてもいいでしょう。

先輩が「ちょっとこの仕事やっておいてくれ」と言ってきたら、ここぞとばかりに「おい、おまえ俺より体重が軽いんだから、自分でやれください」と微妙に敬語を交えたニュアンスで伝えれば、相当な先輩風が吹くに違いありません。

超級編「お客さんに対して先輩風を吹かせる」

先輩風のレジェンドともなれば、お客さんに対して先輩風を吹かせることすら不可能ではありません。

しかし、お客さんに先輩風を吹かせるのは相当難易度が高い行為なので、素人がやろうとすると確実に火傷します。当然、長年の鍛錬も必要でしょう。10年以上の修行を積んだ達人の先輩だけができる行為なのです。

先輩風の達人が吹かせる先輩風は、Wind of Legend Senpaiと呼ばれ、どんな人間すら跪かせると聞きます。

その風を吹かせただけで、相手と先輩の服が一瞬で砕け散ったり、不治の病に冒された人が元気になって、一瞬で服が砕け散ったりするそうです。私も一度はお目にかかってみたいものです。

(文=コラムニスト・二刀流)